「エイリル嬢、私は実はこのままでは聖女リエナがベルシナ国を滅ぼすと考えている」

「っ!?」

「聖女リエナは愚弟含め多くの貴族子息や貴族令嬢、王族関係者をあまりにも魅了している。それが聖女リエナの人間性だけとは【考えにくい】」

「・・・・つまり、何かリエナ様には秘密があるということでしょうか?」

「ああ。それにこの国には腐敗した部分が多すぎる。だから、君の力を借りたい」

「私の力?」

「そうだ。共にこのベルシナ国をより良い国に導いてほしい」

「私に出来ることなどありますでしょうか・・・・?」

その次の瞬間、グレン殿下は信じられない言葉を仰った。



「そうだね、まずは私に愛されてみないかい?」



この言葉が私の逆転劇の始まりになるなどこの時は考えもしなかった。