シーラック伯爵家を出た私は、すぐにその場で崩れ落ちる。


「私、頑張れた・・・・?」


そう呟いた自分の声が不安を帯びているのが分かる。


その時、誰かの優しい手が私の頭を撫でた。



「エイリル」



「グレン殿下・・・」



グレン殿下はいつもの優しい微笑むを私に向けて下さる。

そして、私に合わせてしゃがみ込み、私を抱きしめた。




「よく頑張った」




その言葉はきっと王族としてではなく、グレン殿下自身の言葉なのが分かる。