「もう一度だけ、聞くわ。リエナ、エイリル・・・・貴方達はこの聖女の力をなくしたい?」




私は、頷く。

リエナ様も、小さく頷いた。




「分かったわ。消してあげる。これで、きっともう私が貴方達に会うことはないでしょうね」

「だから、最後に一つだけ」




「貴方達がこれからどんな人生を歩むのか、見守っているわ」




その瞬間、部屋が光に包まれる。

そして数秒後、光がおさまり、元の部屋に戻る。

女神の声はもう聞こえない。

聖女の力も消えた。

私は、部屋を出る前にリエナ様の方を振り返る。




「私は、自分を殺そうとした者の幸せなど願いませんわ。だから、どうか・・・・」




何故か、泣きそうになり声が震える。




「どうか、勝手に幸せを掴み取って下さいませ」




それが、私がリエナ様に向けた最後の言葉だった。