縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~

「なにしてんだ! 行くぞ!」
一瞬、兄の方と視線がぶつかった。
その目は鋭く釣り上がり子供なのに濁った瞳をしている。

薫子はなにも言えずに立ち尽くす。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」

薫子を神様だと勘違いして何度も謝る弟をつれて、兄は急いで石段を駆け下りていってしまったのだった。