縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~

「それじゃ、ふたりは……」
「もう村に戻ることはないだろう。でも、死んではいない。あのふたりなら別の村でもたくましく生きていくことができると考えてのことだ」

「そんな……!」
千桜と冴子がたくましいのはわかっている。

だけどもう二度と村に戻らないなんてひどすぎる!
「ふたりの父親は自分の娘を探しています。今すぐふたりをこの村に戻してください!」

「探しているのなら自分がこの村から出ていけばいい。村との縁を切っただけで、父親との縁は切っていないのだからな」
「どうしてそんなことを……!」

この村で生まれ育った人たちはこの村に愛着がある。
そう簡単に出ていけるものではない。

「人はどこででても生きていくことはできるものだ」
切神はそう言うと立ち上がり、寝室を出ていってしまったのだった。