縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~

「なにを言っている、朝だって私が作っただろう」
そう言われると言い返せない。

薫子は魚料理を素直に切神に任せることにした。
その間に汁物を作り、漬物を切った。

朝ごはんを食べたのと同じ場所にお膳を並べて薫子と切神は座った。
今日のメインは海の魚の刺し身だ。

真っ白に油の乗った切り身がとても美味しそうで薫子はゴクリと唾を飲みこんだ。
いただきますと手を合わせて切り身を一口くちに運ぶと、甘い油が広がっていく。

旨味に頬が落ちてしまいそうだ。
「うまいか?」

「はい、とっても!」
続けて切り身を口に入れて、また頬が溶けてしまいそうになる。

思わず頬に手を当てた薫子を見て切神が声をあげて笑った。
その笑い声に薫子は我に返った。