ドタドタと足音を響かせて廊下を走り、切神からもらった立派な着物を脱ぎ捨てる。
代わりに来たのは寝間着だった。

真っ白なそれのほうがまだ動きやすい。
村から持ってきたものなんてなにもないから、そのまま部屋を出て庭から表へと出た。

切神は追いかけてこない。
薫子は目の奥がジンッと熱くなるのを感じながら、1人境内から外へと飛び出していったのだった。