縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~

「薫子、私は切神だ。縁結びの神じゃない」
切神の言葉の意味は一瞬理解できなかった。

更に言い返そうとしたとき、火が薫子の肩に乗ってきてそれを止めた。
そこでようやく気がつくことができた。

火は切神ではなく、薫子を起こしたのだ。
つまり、切神はあの兄弟とこの神社の縁を切ってしまうことしかできないと判断したからだろう。

薫子ならあのふたりを追い返すことなく対応すると考えて、薫子を起こしたのだ。
「切神さま。たとえば私がまた、千桜や冴子のときのように、身勝手に客人を招き入れたとしたらどうしますか?」

その質問に切神は呆れた笑みを浮かべた。
「客人によるな。どんな相手か見極める必要がある」