縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~

☆☆☆

あんなにやせ細った子がこの村にいるなんて……。
朝食の準備も整って前の前に座りながらも薫子は箸を取る気になれなかった。

今朝見たあの兄弟のことが忘れられない。
手足は枝のように細かったし、あのままでは餓死してしまうんじゃないだろうか。

「薫子が気にすることはない」
白米に箸を伸ばしていた切神がひとこと言った。

「え?」
薫子は驚いて顔を上げる。

「今朝の兄弟のことが気がかりで食事もできないんだろう?」
「知ってたんですか!?」

「ここは私の領域だ。なにが起きているのか大抵わかる」
「そ、それならあの兄弟を助けることだってできたんじゃないですか?」

思わず身を乗り出して聞いた。
切神さえよければ、薫子はあの兄弟にご飯を出すくらいの準備はできたのだ。

だけど切神はなにが起きているのかわかっていて、表に出てこなかったことになる。