「う……うん……」

壱の人の姿はいちいち舞弥の心臓に悪いが、ずっと見ていていいのなら望むところだ。

刹那の間に姿を変えた壱は微笑んでいる。少し恥ずかしそうに。

「その、舞弥……俺の恋人になってほしい。舞弥の一番を、俺にくれないか」

「………待って、壱、その……」

恋愛耐性の全くない舞弥は、先ほどの告白だけで顔が沸騰しそうになっていた。

そこへ『恋人』という単語を聞いて、恥ずかしさが限界突破した。

「ちょっと……顔の火照りが収まるまで待ってほしいといいますか……」

「ああ、いきなりすまない。いくらでも待つよ」

そう答えた壱は、舞弥の隣に座る場所を移した。

そして舞弥の肩に手をかけ、自分の肩へ引き寄せる。

「いくらでも傍にいるから、返事が出来るようになったら、くれたらいい」

「………はい」

消え入りそうな舞弥の返事にも、壱は嬉しそうだった。

舞弥の頭の上でのびていた玉は、舞弥の照れがうつって目を両手で隠して二人のラブラブを見ないようにしていた。きゃー、という状態である。

少し経った頃舞弥から、「よろしくお願いします……」と小さな声で言われた壱だった。