「澪音に触れなくて手持無沙汰だから……暇なんだ。お前の話し相手くらいにはなれる」

「――……っ」



するとひかりは、なぜだか悔しそうな顔をして……だけど少し考えた後「お兄ちゃんも、いいな」なんて。そんな事を呟いた。



「――残念ながら、今日はいい夢が見られそう。千秋さんは、一人で寂しい夜を過ごしてね。おやすみなさい」

「……むかつく」



部屋を出る時、奏さんを見て「ふふ」と笑ったひかり。あの子が本心で笑う瞬間をなかなか見られないから、ビックリした。


パタン



「ひかり、笑ってましたね」

「嫌な笑みだったね」

「そんな事ないですよ。きっとひかりは、奏さんと遊びたいんだと思います」

「…………そうだね。いっぱい”可愛がって”あげないとね」

「ハハハ……」



その時の奏さんの表情は、なんだか怪しかったけど。

なんだかんだ言って上手くいく二人じゃないかなって、ちょっぴり嬉しくなったのでした。



*澪音*end