『そうね。どちらにしろスマホのGPSくらいは犯人たちも気づくでしょうし、電源を切られていると思うわ』
「あ、そっか……」
じゃあどうしよう……と考えはじめたとき、柊さんが声をかけてきた。
「ねぇ、GPSって聞こえたけれど……杏のGPSなら僕のスマホで確認できるよ?」
自分のスマホを持ち上げた柊さんに「でも」と私はお母さんの言葉を伝える。
「犯人もスマホのGPSは気づくだろうから電源切ってるんじゃないかって、お母さんが……」
「いや、それは大丈夫。ほら」
見せられた柊さんのスマホ画面には、学園から離れて行くマークが見える。
あれ? スマホの電源切られてないのかな?
「僕と杏の制服にはGPS発信機を見えないように縫いつけてあるんだ。これはその発信機を受信してるんだよ」
柊さんの話では、中学になると一人で行動することも増えるからと美奈都さんが特注でつけたらしい。
「心配性だなぁとしか思っていなかったけれど、こうなると良かったと思うよね」
困り笑顔を浮かべる柊さんを見ていると、耳元から大きい声が響いた。
『ちょっと望乃ちゃん? なにを話しているの?』
「あ、ごめん。柊さんが杏くんのGPS受信出来るって言ってて」
『は? ちょっと、スピーカーにしてちょうだい』
言われるままにスピーカーアイコンをタップして、さっきのやり取りをお母さんにも伝えた。
数秒考えるようにだまってから、お母さんはハキハキと指示を出す。
「あ、そっか……」
じゃあどうしよう……と考えはじめたとき、柊さんが声をかけてきた。
「ねぇ、GPSって聞こえたけれど……杏のGPSなら僕のスマホで確認できるよ?」
自分のスマホを持ち上げた柊さんに「でも」と私はお母さんの言葉を伝える。
「犯人もスマホのGPSは気づくだろうから電源切ってるんじゃないかって、お母さんが……」
「いや、それは大丈夫。ほら」
見せられた柊さんのスマホ画面には、学園から離れて行くマークが見える。
あれ? スマホの電源切られてないのかな?
「僕と杏の制服にはGPS発信機を見えないように縫いつけてあるんだ。これはその発信機を受信してるんだよ」
柊さんの話では、中学になると一人で行動することも増えるからと美奈都さんが特注でつけたらしい。
「心配性だなぁとしか思っていなかったけれど、こうなると良かったと思うよね」
困り笑顔を浮かべる柊さんを見ていると、耳元から大きい声が響いた。
『ちょっと望乃ちゃん? なにを話しているの?』
「あ、ごめん。柊さんが杏くんのGPS受信出来るって言ってて」
『は? ちょっと、スピーカーにしてちょうだい』
言われるままにスピーカーアイコンをタップして、さっきのやり取りをお母さんにも伝えた。
数秒考えるようにだまってから、お母さんはハキハキと指示を出す。



