馬鹿だ私。
可能性を一つ見落としてた。
玲菜さんに催眠術をかけた男の子は、これから学園に入り込んでくるかもしれないとばかり思っていた。
“もうすでに”入り込んでいるって可能性を全然考えていなかったんだ。
さっきの香澄ちゃんは明らかに催眠術をかけられた状態。
その香澄ちゃんが私を強引に引きとめて、その間に杏くんがいなくなったってことは――。
「梶くんが、ヴァンパイアなんだ!」
いくらまだヴァンパイアの気配を感じることが出来ないと言っても、あんなに近くにいて気づかないなんて!
体力テストのときだって梶くんは男子の平均記録しか出していなかった。
ヴァンパイアの力もしっかり隠していたってことだから、気づけないのは仕方ないと言えば仕方ない。
でもこの状況をまねいてしまったのは、すでに近くにヴァンパイアの男の子がいるって可能性を考えずにいた私のせい。
後悔ばかりが心にのしかかる。
それでも間に合うことを信じて、私は非常階段をかけ下りた。
非常階段を下りるとすぐに裏口が見える。
そのドアの前にいたのは、梶くん一人だ。
「やあ、のんちゃん。思ったより遅かったね?」
「梶くん、杏くんはどこ?」
梶くんの問いになんて答えず、すぐに大事なことを聞く。
でもわかってた。梶くんしかいないってことは、杏くんは――。
可能性を一つ見落としてた。
玲菜さんに催眠術をかけた男の子は、これから学園に入り込んでくるかもしれないとばかり思っていた。
“もうすでに”入り込んでいるって可能性を全然考えていなかったんだ。
さっきの香澄ちゃんは明らかに催眠術をかけられた状態。
その香澄ちゃんが私を強引に引きとめて、その間に杏くんがいなくなったってことは――。
「梶くんが、ヴァンパイアなんだ!」
いくらまだヴァンパイアの気配を感じることが出来ないと言っても、あんなに近くにいて気づかないなんて!
体力テストのときだって梶くんは男子の平均記録しか出していなかった。
ヴァンパイアの力もしっかり隠していたってことだから、気づけないのは仕方ないと言えば仕方ない。
でもこの状況をまねいてしまったのは、すでに近くにヴァンパイアの男の子がいるって可能性を考えずにいた私のせい。
後悔ばかりが心にのしかかる。
それでも間に合うことを信じて、私は非常階段をかけ下りた。
非常階段を下りるとすぐに裏口が見える。
そのドアの前にいたのは、梶くん一人だ。
「やあ、のんちゃん。思ったより遅かったね?」
「梶くん、杏くんはどこ?」
梶くんの問いになんて答えず、すぐに大事なことを聞く。
でもわかってた。梶くんしかいないってことは、杏くんは――。



