最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!

「本当に? 月曜日、絶対に来る?」

 確認してくる香澄ちゃんに「うん、絶対に来るよ!」とハッキリ告げて杏くんに意識を戻そうとした。
 でも、さっきまでいた場所に杏くんの姿はない。

「え? うそ、どこに?」

 見回しても教室にはいなかった。

「ねぇ! 杏くんどこ行ったか知らない!?」

 杏くんの机の上にカバンはある。
 先に迎えの車に向かったわけじゃない。
 慌てて教室に残っているクラスメートに呼びかけ聞くと、一人の女子がドアの方を指差した。

「杏くんなら、さっき梶くんに呼ばれて出て行ったわよ?」
「梶くんに? どっち行ったかわかる!?」
「え? えっと、非常階段の方かな?」

 戸惑いながらも答えてくれた彼女に「ありがと!」と短くお礼を言った私はすぐに教室を出る。
 非常階段は廊下の突き当りだ。
 あまり使う人はいないから内緒話とかするには丁度良い場所。

 でも梶くん、なんでこんなときに杏くんを呼び出したんだろう?
 首をかしげながら走り出そうとしたけれど、また香澄ちゃんが呼びかけてくる。

「待って! 望乃ちゃん、行かないで!」
「香澄ちゃん?」

 なに? さっき月曜に話そうって言ったよね?
 困惑するけれど、今はゆっくり話しているヒマはない。