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 レストランでは私も三兄弟と一緒に昼食を取った。
 食べたことのないほど柔らかいお肉にちょっと感動していると、玲菜さんに少し手伝ってもらいながら食事していた紫苑くんの頭がカクンカクンって()れ始める。
 目はほとんど閉じていて、力つきている。
 でも眠い目をしながら頑張って食べようとする姿はとっても可愛かった。
 そんな紫苑くんの口元を拭った玲菜さんは優しく話しかける。

「紫苑さま、もうごちそうさましましょうね」

 コクンとちいさくうなずいた紫苑くんを抱っこした玲奈さんは「はしゃぎ過ぎたみたいですね」と笑う。
 そのまま柊さんに席を外すことを伝えて、二人はいなくなってしまった。

 元々食後にはお昼寝しなきゃならなかった紫苑くん。
 だからこのレストランではお昼寝用の部屋を別に用意してもらっていた。
 そういう設備もあるから、小さい子と一緒に食事に来られる店としても重宝(ちょうほう)しているらしい。


 私たちが食事を終え、他の護衛の人達もみんな食べ終わる。
 それでも紫苑くんは起きそうになかったから、二手に分かれて靴や小物系を買いに行くことにした。
 とはいえそこまで時間はかからず戻ってくる。
 その頃には紫苑くんも起きていて、元気に私たちをお出迎えしてくれていた。