『はいはーい、どうしたの望乃ちゃん? 報告?』

 お母さんの明るい声を聞くとやっぱり安心する。
 ちょっとホームシックになってるのかな?

「うん、報告もだけどちょっと相談もあって……」

 と、私は早速柊さんの血をなめちゃったこと、吸血衝動が始まったのかと思って血液パックを頼んだけれど飲みたいって思えないことを話した。

「これってやっぱり吸血衝動じゃないってことなのかな?」

 最後にそう確認すると、うんうんと私の話を聞いていたお母さんは数秒だまり込んだ。

「お母さん?」

 呼びかけると、いつもよりちょっと低い声がスマホから聞こえる。

『……ねぇ、柊くんの血をなめたって言ったけれど、もしかしてあなたがヴァンパイアだってバレたんじゃないの?』
「え⁉」

 するどい!

「それは、大丈夫だと思うよ? なめておけば治ると思ったって言って誤魔化したし」

 実際には誤魔化せなかったんだけれど、せっかくバレたことをだまっていてもらってるんだから内緒にしないと!

『ふぅん……』

 私の言葉をうたがっている様にも聞こえる声に私はハラハラしながら次の言葉を待った。