紫苑くんの背中を叩くのを止めて顔を上げると、複雑そうな表情の杏くんと柊さんの顔が見えた。
一度目を閉じて改めて私を見た柊さんが口を開く。
「今ので多少は分かったけれど、もう少しくわしく聞かせてくれる?」
「……はい」
私がヴァンパイアだっていうことはもう話しちゃったし、ここまで来たらちゃんと話して内緒にしてもらった方がいいかもしれない。
その後は聞かれるままにヴァンパイアのこと、ハンター協会のこと。私がハンターを目指しているヴァンパイアで、今回は正式にハンター協会からの依頼で護衛に来たこととかを話した。
「……そう。母さんたちも君がヴァンパイアだって知ってて依頼したってことだよね?」
「はい。でも柊さんたちにはバレないようにって言われてるんです。お願いです、知ったことはだまっていてもらえませんか?」
ちゃんと依頼を達成したいんです! と頭を下げてお願いする。
そのまま少し間が開いてから「……分かった」と柊さんの声が返ってきた。
「信用するかどうかはまだ決めきれない。でも母さんたちも知っているなら、とりあえずはだまっておいてあげるよ」
「ありがとうございます」
全部を信じてもらえているかは分からないけれど、とりあえずだまっていてくれるということにホッとした。
すると、今度は杏くんがポツリとつぶやく。
「……ってことは、兄さんの婚約者候補とかってわけじゃないんだな?」
「は? 婚約者候補? なんのこと?」
わけが分からなくて首をひねる私に、二人は気まずそうに話してくれる。
どうやら二人は私が美奈都さんがあてがった婚約者候補だと思っていたらしい。
一度目を閉じて改めて私を見た柊さんが口を開く。
「今ので多少は分かったけれど、もう少しくわしく聞かせてくれる?」
「……はい」
私がヴァンパイアだっていうことはもう話しちゃったし、ここまで来たらちゃんと話して内緒にしてもらった方がいいかもしれない。
その後は聞かれるままにヴァンパイアのこと、ハンター協会のこと。私がハンターを目指しているヴァンパイアで、今回は正式にハンター協会からの依頼で護衛に来たこととかを話した。
「……そう。母さんたちも君がヴァンパイアだって知ってて依頼したってことだよね?」
「はい。でも柊さんたちにはバレないようにって言われてるんです。お願いです、知ったことはだまっていてもらえませんか?」
ちゃんと依頼を達成したいんです! と頭を下げてお願いする。
そのまま少し間が開いてから「……分かった」と柊さんの声が返ってきた。
「信用するかどうかはまだ決めきれない。でも母さんたちも知っているなら、とりあえずはだまっておいてあげるよ」
「ありがとうございます」
全部を信じてもらえているかは分からないけれど、とりあえずだまっていてくれるということにホッとした。
すると、今度は杏くんがポツリとつぶやく。
「……ってことは、兄さんの婚約者候補とかってわけじゃないんだな?」
「は? 婚約者候補? なんのこと?」
わけが分からなくて首をひねる私に、二人は気まずそうに話してくれる。
どうやら二人は私が美奈都さんがあてがった婚約者候補だと思っていたらしい。



