最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!

「ののねーちゃん、しんじゃやだ!」

 そのままくしゃっと顔がゆがんだから、私は慌てて紫苑くんをひざに乗せてギュッとする。

「死なないよ。大丈夫、そうならないようにハンター協会っていうのがあるんだから」

 ハンター協会は違反したヴァンパイアを取り締まるけれど、代わりに真っ当に生きようとするヴァンパイアを守るための活動もしている。
 血液パックだってその一つだ。
 ヴァンパイアが違反吸血をしないよう、人間のハンターさんたちが用意してくれているんだ。
 だから血液パックを申請し忘れたりしない限り死ぬようなことにはならない。

「ほんと? ほんとうにだいじょーぶ?」

 安心させるように背中をポンポン叩きながらなだめると、眠そうな声で確認してくる紫苑くん。
 あったかい紫苑くんを抱きしめながら、私は「本当だよ」と笑顔で返事をした。

「よかった。ののねーちゃん、だいす……き……」
「私も大好きだよ、紫苑くん」

 目を閉じて完全に眠ってしまった紫苑くんに、私は最後にそう声を掛けた。