最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!

「私ね、実はヴァンパイアなんだ」
「「っ!?」」
「ばんぱ、あ?」

 息をのむ兄二人と、ヴァンパイアと言えていない紫苑くん。
 言い方がかわいくて思わず笑いがこぼれる。

「ふふっ……そう、ヴァンパイア。吸血鬼とも言うんだよ?」

 ヴァンパイアは人の血を吸うこと、人よりも身体能力が高いことを紫苑くんにも分かるようかみくだいて話す。

「ち? のむの? おいしいの?」

 吸血することはさすがに怖がるかと思ったけれど、純粋に不思議そうに聞かれた。
 私が悪い人かもなんて、考えてもいないんだろうな。
 それくらい真っ直ぐに慕ってくれている紫苑くんに胸が温かくなった。

「大人になったら飲まないと死んじゃうみたい。味は……美味しいかな?」

 柊さんの血は美味しかったからね。

「しんじゃうの!?」

 でも紫苑くんは血の味よりも死んじゃうって方が気になったみたい。
 ビックリした顔でソファーから降りて私の所に来る。
 そのまま泣き出しそうな顔で私のメイド服のスカートにしがみついた。