最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!

 柊さんの部屋は紺色でまとめられたシンプルな部屋だった。
 でも部屋自体かなり広いし、奥の方に見えるベッドは子供用とは思えないほど大きい。
 座るようにうながされた一人用ソファーもふかふかで高級そう。
 さすがはおぼっちゃまって思った。

「さて、まずは杏たちにも例の出来事を話さないとね」

 私の向かい側にある三人掛けの大きいソファーに座った柊さんが話し始める。
 だまっていて欲しかったけれど、杏くんも部屋に入れた時点で聞かせるつもりだったんだろうなって諦めた。

 一通り今日生徒会室であったことを聞いた杏くんは、驚くというよりものすごく変な顔をする。

「へ? 血をなめた?」

 でも、その隣の紫苑くんは何故かキラキラした目をしていた。

「いたいの、なおしたの? ののねーちゃん、まほうつかい?」

 柊さんの話をどこまで理解出来ていたか分からないけれど、何だか良いようにに取ってくれたみたい。
 とりあえず、紫苑くんに怖がられなくて良かった。

「魔法使いではないかな?」

 紫苑くんに笑顔で返しながら、こんな素直な子にウソはつきたくないなって思った私は事実を話すことにした。