……ってことは、みんなの中ではあのキラキラ笑顔の柊さんが普通ってこと?
 じゃあ何で家や私の前ではあんなに無感情なの!?

 そんな疑問の叫びは式の最中だったこともあって声に出ることなく止まる。
 私はなんだか悶々(もんもん)としながら入学式をやり過ごした。


 何だか入学式だけで疲れてしまったけど、まだクラスでの自己紹介と明日からの授業説明がある。
 気を取り直して、私は杏くんと同じ教室に戻った。

「常盤杏です。よろしく」

 簡単な自己紹介で終わる杏くんだったけれど、初等部から繰り上がって来たいわゆる内部生は大体みんなこんな感じの自己紹介をしてた。
 その内部生が終わったら、今度は中学からこの学園に通う外部生のあいさつ。
 ちなみに私もその外部生に入るんだ。

 外部生はもう少し詳しく自己紹介していた。
 前の学校がどこだったのかとか、趣味は何なのかとか。
 だから私もしっかり自己紹介した。