三階の廊下には誰もいなくて、もしかしたらさっきの人が見張りだったのかもしれない。
そっとホールに続くドアに近づくと、中から話し声が聞こえてきた。
特に梶くんの声は比較的高めだからよく聞こえる。
「脅迫の連絡でちゃんとこっちの要望も伝えてくれた?」
「ああ。社長夫人が持ってるっていうルビーのネックレスだろ?」
「そうそう。こっちはそれが目当てだからな」
ルビーのネックレス? 【朧夜】が今回の誘拐に加担したのってそれが理由なの?
どうしてそのネックレスを狙っているのかまではわからないけれど、【朧夜】の狙いを知ることが出来た。
でもそれ以上は話題が変わったのか声が聞こえてこない。
もう少し詳しく知りたかったけれど、あんまり時間を掛けていられないしね。
私は突入する前に腰からクロちゃんを引き抜き、カチカチッと伸ばしていく。
人間のハンターである孤月家が、対ヴァンパイアとしてあみ出した棒術。
人間より早い動きについていくためには長い棒だと次の動きが遅くなるから、普通の棒術で使うものより短いんだって。
部屋に入る前に、私は背筋を伸ばして深呼吸する。
杏くんという人質がいる以上ミスは許されない。
杏くんを傷つけられる前に周りの人たちを確実に倒していかないと。
深呼吸を繰り返しながらおばあちゃんの言葉を思い出す。
そっとホールに続くドアに近づくと、中から話し声が聞こえてきた。
特に梶くんの声は比較的高めだからよく聞こえる。
「脅迫の連絡でちゃんとこっちの要望も伝えてくれた?」
「ああ。社長夫人が持ってるっていうルビーのネックレスだろ?」
「そうそう。こっちはそれが目当てだからな」
ルビーのネックレス? 【朧夜】が今回の誘拐に加担したのってそれが理由なの?
どうしてそのネックレスを狙っているのかまではわからないけれど、【朧夜】の狙いを知ることが出来た。
でもそれ以上は話題が変わったのか声が聞こえてこない。
もう少し詳しく知りたかったけれど、あんまり時間を掛けていられないしね。
私は突入する前に腰からクロちゃんを引き抜き、カチカチッと伸ばしていく。
人間のハンターである孤月家が、対ヴァンパイアとしてあみ出した棒術。
人間より早い動きについていくためには長い棒だと次の動きが遅くなるから、普通の棒術で使うものより短いんだって。
部屋に入る前に、私は背筋を伸ばして深呼吸する。
杏くんという人質がいる以上ミスは許されない。
杏くんを傷つけられる前に周りの人たちを確実に倒していかないと。
深呼吸を繰り返しながらおばあちゃんの言葉を思い出す。



