***
柊さんが車に戻ると、私はお母さんに最終的な指示を貰うため電話をかけた。
「お母さん、今から潜入するよ」
『了解、場所は把握したわ。【みすずゲームス】の本社ビルみたいね』
美奈都さんに杏くんのGPS情報を聞いたのか、お母さんはすでに場所を特定していたらしい。
『きっと【みすずゲームス】の関係者が今回の犯人ね。他にも【朧夜】のヴァンパイアがどれだけいるか分からないわ、警戒はおこたらない様に』
「うん」
『それと、人質の無事が確認できたら突入出来るようにハンターが向かってるわ。杏くんを保護出来たら連絡をちょうだい』
「分かった」
一通り話し終えると、お母さんは一度だまってからいつもの明るい声を出す。
『望乃ちゃんはおばあちゃん直伝の棒術も習得した。大人のヴァンパイアにだって簡単には負けないくらい強くなってる。頑張って、望乃ちゃんなら出来るわ』
「お母さん……」
普通だったら、中学に上がったばかりの娘に戦えなんて言わない。
でも、お母さんは私を信頼して送り出してくれる。
その信頼が、私に力をくれた。
「うん、行ってくる!」
『気をつけて』
最後にそれだけ言うと、通話が切れる。
私は柊さんから貰った幸運と、お母さんから貰った信頼を胸に目の前のビルへと向かった。
柊さんが車に戻ると、私はお母さんに最終的な指示を貰うため電話をかけた。
「お母さん、今から潜入するよ」
『了解、場所は把握したわ。【みすずゲームス】の本社ビルみたいね』
美奈都さんに杏くんのGPS情報を聞いたのか、お母さんはすでに場所を特定していたらしい。
『きっと【みすずゲームス】の関係者が今回の犯人ね。他にも【朧夜】のヴァンパイアがどれだけいるか分からないわ、警戒はおこたらない様に』
「うん」
『それと、人質の無事が確認できたら突入出来るようにハンターが向かってるわ。杏くんを保護出来たら連絡をちょうだい』
「分かった」
一通り話し終えると、お母さんは一度だまってからいつもの明るい声を出す。
『望乃ちゃんはおばあちゃん直伝の棒術も習得した。大人のヴァンパイアにだって簡単には負けないくらい強くなってる。頑張って、望乃ちゃんなら出来るわ』
「お母さん……」
普通だったら、中学に上がったばかりの娘に戦えなんて言わない。
でも、お母さんは私を信頼して送り出してくれる。
その信頼が、私に力をくれた。
「うん、行ってくる!」
『気をつけて』
最後にそれだけ言うと、通話が切れる。
私は柊さんから貰った幸運と、お母さんから貰った信頼を胸に目の前のビルへと向かった。



