晴斗の存在が委員会内で問題となったのは当然といえる。自意識を持たず、あちこちを徘徊しては人間に害をなすばかりとされている鬼を、仲間に引き入れようと言うのだから。

「そうだなぁ……」

 放課後の第二会議室で米倉が唸る。目の前には御崎……の頭に胡座をかいて座る晴斗が向き合っていた。
 週に一度の会議の日、メンバーが揃うのを待って入室した彼らはもちろん注目を集め、そしてそのまま視線の中心にいる。

「まあいいんじゃない? 君たちが責任持ってくれるんでしょ」

 米倉は晴斗の頭を撫で、小さな手は抵抗をして。
 やけにあっさりと下された許可に、にわかに室内がざわめいた。
 にっこりと、米倉の友好的でありながら有無を言わさぬ雰囲気を漂わせた笑顔が、晴斗を保護した二人に向けられる。

「責任と言われても僕は、」
「だーいじょうぶですよ、晴斗なら!」

 返答を渋る御崎を制し、結希が請け負う。周囲からの不安げな眼差しを感じ、殊更はっきりと言い切った。