パン1つで犬のようにしっぽをふってお使いに行くなんて、安い女だと思う?
だってあたし朝ご飯食べてないんだもん、仕方ないじゃない!!
三大珍味をフンダンに使った朝ご飯さえちゃんと食べていれば、こんなお使い断ったのに……。

クッと涙を飲みこみ、教室へと入る。
ご飯風景は桃谷高校と大して変わらずあたしはホッと胸をなで下ろした。

まさか専用シェフが来ていたりなんてしないよね~?
と、少しだけ思っていたのだ。
だけど彼らは芸能人。

売れっ子でお金はあっても、ここはおぼっちゃまお嬢様の通う学校ではないのだ。
さすがにシェフを抱えて登校してくる生徒はいないようだ。

その代わり、女子生徒も男子生徒もお弁当がすごく小さくて、中には野菜サラダしか食べていない生徒もいる。

やっぱり、ルックスを維持するためにみんな頑張っているんだなぁ……。
あたしなんてご飯を食べてもすぐにお腹へっちゃうけどなぁ。
そう思いながら、テラスへと通じるドアを開ける。