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結局掃除がすべて終わったのは1時間が過ぎた時だった。
ただの廊下掃除にここまで疲れたことは、今までで初めての経験だ。

あたしはぜぇぜぇと荒い呼吸をしながもモップを片づける。
そしてヨロヨロする足元で、なんとか踏ん張ってリビングのドアをあけた。
「掃除終わったわよ!!」
ほとんど奇声と呼べる声でそう言う。

するとソファでゆったりとくつろいでいる【ツインズ】が同時にこちらを振り向いた。
「あぁ、お疲れカヤちゃん」
と、圭。

「随分と時間がかかったんだな」
と、晴。
今はもう晴の嫌味に言い返す力も出ない。
あたしはソファに倒れるようにして座った。

「あぁ~もう、疲れた疲れた疲れた!!」
子供のように繰り返しそう言い、ジタバタと手足を動かす。
「はいはい、お疲れ様」
圭が苦笑しながら、あたしにクッキーを一枚差し出してきた。