午前の授業が終わり、解放感で賑わい始めた火曜日の昼休み。



「まだかなぁ……」



階段の踊り場から顔を出し、教室を後にしていく生徒達を眺める。


なぜ不審者みたいな行動をしているのか。

その理由は先週の木曜日まで遡る──。



『急にごめんね』

『いえ、暇してたので全然。それで、話というのは……?』



昼食を済ませた後、久代くんに電話をかけ、校舎裏に呼び出した。


普段と変わりない表情と声色。
しかし、瞳にはちょっぴり不安が表れている。

話なら電話やメールでもできるのに、わざわざ呼び出した。ましてやこんな大事な時期に。戸惑うのも当然だよね。


本題に入る前に、まずは彼の不安を取り除く。



『その……ただ、久代くんと話したくって。テスト終わるまで我慢してたんだけど、同じ学校にいるのに全然会えないのは寂しいなぁって思ったから……』