「・・・何ですの?」


「いや、リーネの笑顔はどれだけ見ても飽きないものだな」


「っ!・・・アルト様はクールを装《よそお》ってますけど、本当は甘すぎるくらいですわ!」

「・・・?リーネにだけだが?」

「それが甘すぎると言っているのです!」

私が頬を膨らませると、アルト様が悪戯っ子のように微笑む。


「まだ屋敷までは数時間かかる。眠ってもいいんだぞ。・・・・肩を貸そうか?」


「結構ですわ!」


私はそう述べて、窓の外に目を向ける。

窓の外は、隣国ヴィスタ国の美しい景色が広がっていた。