そんな時、私をアルト様が空き教室に呼び出した。


「ねぇ、リーネ。俺と賭けをしない?」

「君が勝ったら、一つだけ君の質問に必ず答えることを約束しよう」


唐突すぎる申し出である。


「・・・賭けの内容は何でしょう?」


「実は俺、今話題の男爵令嬢・・・つまり、フローラ・ヴィアローズに付き纏われてるんだよね」

「それを解決して、俺のことを諦めさせて」

「それが出来たら君の勝ち。出来なかったら、君の負け。どう?」


「あまりに難しいことを仰るのですね?」