「おい、お前。不正をしただろ」

「しておりませんわ」

リーネットなら、きっと反論も一言だけだろう。

本当は少しこうなることは予想していた。

急に成績が上がれば怪しまれて当たり前である。

しかし、成績が良ければアステリア公爵家に箔が付く。

記憶喪失で悲しませたリーネットの両親を少しでも喜ばせたかった。


「嘘をつけ!」

「そうですわ。リーネット様、正直に話して下さいませ」


レーヴィン殿下も可憐な少女も責めることをやめない。

その時、ふと順位表を見るとレーヴィン殿下は二位であった。


「え!?」


「なんだ?」


「二位ではありませんか!」

「そうだ!今まで一位だったのに、二位に・・・」

「何がいけませんの?」

「は?」