夏の夜、路地裏から始まるひとつの恋の行く末は


「本命って? 俺が好きなのは叶華だけ。これは本気 (まじ) だから。」

大事な話の流れで名前呼びをするのは彼の癖なのかもしれない。


「それじゃあどうして、どうしていつも女性のつける香水の匂いがするのですか ? 」

聞いてしまった。答えは2択。


何人も彼女がいるのか、付き合っている人はいないけど色んな女の人と遊んでいるか。


どの答えも最悪なものなのに多分どれを言われても受け入れてしまうのだろうなとも思う。


「香水 ? あー、そーいうことか。」


沈黙に耐えかねて何か言葉を発しようと口を開いたとき、彼がやっとわかったとでも言うように口を開いた。