夏の夜、路地裏から始まるひとつの恋の行く末は
恋愛(その他)
完
2
美乃莉 恋羽/著
- 作品番号
- 1705161
- 最終更新
- 2023/08/28
- 総文字数
- 2,946
- ページ数
- 12ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 554
- いいね数
- 2
表紙画像は【ノーコピーライトガール】様のフリーイラストをお借りしています。
✧︎
叶華 (きょうか)
基本敬語の箱入りお嬢様。強がりがちな性格。迷い込んだ街で千羽矢と出会った。
千羽矢 (ちはや)
ヘビースモーカー。掴みどころがない性格。あることがきっかけで叶華を気に入る。
✧︎
暑さの冷めない薄暗い路地裏。
その上、元々人通りが少ないこの場所にわざわざやって来る人は、果たして私以外にいるのだろうか。
壁にもたれかかって “彼” が来るのを待つ。
今日こそ “彼”の本心を聞き出すために。
何分か後、コツコツコツ という足音が近づいてきた。
音とともに慣れた煙草と、昨日とは違うバニラ系の甘ったるい女物の香水とが混ざった匂いも近づく。
私は横を向かないでただ地面の一点を見つめ続ける。
声を聞かなくともその人影の正体が “彼” だということを分かっていた。
「今日は誰と会っていたのですか?」
私は問う。
「そんなの君に言わないといけないことかなー?」
返ってきたのは彼の声。
私の質問への返答も思った通りだった。
そう思っている間にも彼の気配は近づいてきて、
「やっほー。待った?」
顔を上げると、思っていたよりも近くに彼の顔があり、にこりと笑っていた。
今日こそ、今日こそは。
何度目かの気合を入れ直し、私はすっと彼を見据えたのだった。
✧︎
叶華 (きょうか)
基本敬語の箱入りお嬢様。強がりがちな性格。迷い込んだ街で千羽矢と出会った。
千羽矢 (ちはや)
ヘビースモーカー。掴みどころがない性格。あることがきっかけで叶華を気に入る。
✧︎
暑さの冷めない薄暗い路地裏。
その上、元々人通りが少ないこの場所にわざわざやって来る人は、果たして私以外にいるのだろうか。
壁にもたれかかって “彼” が来るのを待つ。
今日こそ “彼”の本心を聞き出すために。
何分か後、コツコツコツ という足音が近づいてきた。
音とともに慣れた煙草と、昨日とは違うバニラ系の甘ったるい女物の香水とが混ざった匂いも近づく。
私は横を向かないでただ地面の一点を見つめ続ける。
声を聞かなくともその人影の正体が “彼” だということを分かっていた。
「今日は誰と会っていたのですか?」
私は問う。
「そんなの君に言わないといけないことかなー?」
返ってきたのは彼の声。
私の質問への返答も思った通りだった。
そう思っている間にも彼の気配は近づいてきて、
「やっほー。待った?」
顔を上げると、思っていたよりも近くに彼の顔があり、にこりと笑っていた。
今日こそ、今日こそは。
何度目かの気合を入れ直し、私はすっと彼を見据えたのだった。
- あらすじ
- ふわりと香る煙草の匂い
同じ煙草を吸っている人なんて大勢いるはずなのに
何故か貴方だって分かってしまうのです
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