夏の夜、路地裏から始まるひとつの恋の行く末は


やっぱりこの人は意地悪だ。


私は彼に向き直り、覚悟を決めて口を開いた。

「… 千羽矢さん、よく聞いてください。」


千羽矢さんと出会ってからの私は変だ。


彼のことばかり考えて、自分ではどうしようもなくなってしまう。


彼が今何をしているか、誰と会っているのか、そればかりを考える。


人はそれを〝恋〟だの〝愛〟だの言うのだろう。


「わ、私は、千羽矢さんのことが、」

この恋が上手くいくかは分からない。


それでも私はこの想いを認めてみることにする。