なに?
 レオって古賀くんのこと?
 《Noche》って、最近どこかで聞いたことがある様な……?

 頭の中に疑問符をたくさん並べていると、古賀くんが私を守るように背中に隠した。

「あーも、せっかく幸せな気分浸ってたのに。お前らのせいで台無し」

 不機嫌そうな低い声にびっくりする。
 チラッと見た古賀くんの顔は可愛さなんてどこかに消えていて、すわった目がちょっと怖い。
 張り詰めた糸は相手が古賀くんに殴りかかってきたことで切れた。

「今度こそしばらく動けない状態にしてやるよ!」
「昨日のケガが完全に回復してるわけねぇもんな! ボコられてろ!」

「ひっ!」

 怖くて思わず目をつむると、すぐ近くから「大丈夫」って優しい声がかけられた。

 え? と思って目を開けてみると、いつの間にか男の人たちの近くに古賀くんがいた。
 一人が突き出していた拳の方へ、もう一人の男を突き飛ばしてる。