「…さま…おじょう…」




 んん…。

 まぶしい…。


 自然と眉根が寄る。

 顔を右に背けるとだいぶ寝やすくなった。




「お嬢様、朝ですよ」


「ん…?」




 誰だろう、この声…。

 やわらかくて、聴き心地がいい…。


 するりと頬を撫でられる感触がする。




「ふふ…そんなに心地いい夢を見ていらっしゃるんですか?こちらでも相応の環境を整えなければなりませんね」


「んぅ…」


「お嬢様は紅茶がお好きだと伺いました。角砂糖を2つ、ミルクも入れましょう」




 紅茶…。

 甘く、まろやかに…?




「フリルのついた、ライトイエローのワンピースをお召しになるのはいかがですか?」




 それは、わたしのお気に入りの服…。

 左の方で、髪を持ち上げられる感触がした。