「狭いでしょ?カーテンの中」


私はカーテンの上を見上げる。



「ずっと、この小さな世界にいたの。お願いっていうのはね。・・・・夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?」



「この小さな世界から出て、ちゃんと広い世界を見る!嫌われるのを怖がって、世界に絶望したりしない!」



私はそう元気に宣言しながら、涙が溢《こぼ》れる。

夏目くんはそっとカーテンに手をかける。

私も夏目くんに合わせて、カーテンに触れた。


「行くよ、せーのっ!」


眩しいくらいの光が、私たちを照らした。


fin