「狭いでしょ?カーテンの中」
私はカーテンの上を見上げる。
「ずっと、この小さな世界にいたの。お願いっていうのはね。・・・・夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?」
「この小さな世界から出て、ちゃんと広い世界を見る!嫌われるのを怖がって、世界に絶望したりしない!」
私はそう元気に宣言しながら、涙が溢《こぼ》れる。
夏目くんはそっとカーテンに手をかける。
私も夏目くんに合わせて、カーテンに触れた。
「行くよ、せーのっ!」
眩しいくらいの光が、私たちを照らした。
fin
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…