「おー、夏目。約束通り来てくれたか」

私は聞き耳を立てながら、布団の中で包《くる》まっていた。

すると、急にバッとカーテンが開かれる。

森崎先生がカーテンを開けたようだった。

「先生!何するんですか!」

「菊野、どうせ寝てないんだからいいだろ」

「寝ます!今から寝ますからカーテンを閉めて下さい!」

「そんな嘘はいい」

「先生の馬鹿ー!」

私と先生の会話を夏目くんに見られていることに気づき、私はすぐに小さく縮こまる。