まっすぐに見つめられる。



「アンタがたたずんでる、その背中を見てた。その声を聴いてた」



——『〈みよのん〉に、戻れなくなっちゃったなぁ……』



「絵を描けたらいいのに。って、そうつぶやいた声が聞こえてた」



聞こえてた。

バレてた。

知られてた。

鹿野くんの声しか響かない、



「いいんじゃねぇの、テキトーでも。それが絵を描けなくなったアンタががむしゃらにやった結果なんだろ」



大丈夫なんて言わねーけど、



「——“夜に(たたず)むキミを見ていた”」



伏せていた目を驚きに見開く。



「なに、これ……」



そこに映っていたのは、夜の中、たたずみながら歌う少女の絵。