朔くんに、意味不明な宣言をされてしまってから数日——


私の肩身は、とてつもなく狭くなってしまった。


「ねぇねぇ、あの王子の心を射止めるなんて、いくら瑠奈の美貌でも無理でしょ?どうやったの?」

「び、美貌……?よくわからないけれど、私たちただのお友達だよ……?」


美波ちゃんに、そう聞かれてしまった。

猫好きの、ただのお友達。

それ以下もそれ以上もない、はずなのに……。


確かに私も、最近朔くんの様子が変わってきているから、違和感を感じることはあったけど、でも……朔くんは相変わらず優しい人だと思う。


「いやいや!流石にないでしょ〜俺のもの宣言されてんだよ?」


きゃははと笑う萌ちゃんにそう言われてしまう。

確かに僕のものだとか言われちゃってたけど、お友達として、かもしれないし……。


うーん……私にはよくわかんないなぁ。

あ、そうだ。朔くんに直接聞いちゃえばいいんじゃないかな?


それが最善策だよね。


今日、放課後寮の裏に行って朔くんがいたら聞いてみよう。


よしっと決意を固めた。