窓から差し込む陽光がシルディアの意識を浮上させる。
部屋の眩しさに目を細め、起き上がろうとして失敗した。
(そうだった。オデルと抱き合って寝たの忘れてた)
体に回された腕は重く、逃れることもままならない。
寝入っていても緩まない力に、シルディアは苦笑する。
(抱き合って寝るって言われた時は純潔の危機を感じたけれど、文字通りの意味で安心したわ)
シルディアの起床時には絶対に起きているオデルが、まだ寝ている。
その事実が少しだけシルディアの心を高揚させた。
(今まで熟睡した事がないんだもの。もう少し寝かせてあげましょう)
オデルはまばゆい光をものともせず寝息を立てている。
初めて見るオデルの寝顔は、いつもより幼く見えた。
目にかかりそうな前髪に触れれば、見た目以上に柔らかく黒絹のような触り心地だ。
(何をすればこんな肌触りになるのかしら? 寝不足のはずなのに肌も荒れていないなんて羨ましい)
頬を撫でれば、予想以上の滑らかさに驚いた。
柔らかなもち肌は赤子のようだ。
時間にして一分ほどだろうか。オデルの肌を堪能し、はたと我に返る。
(わたしったら、はしたないことを……。意識のない人をベタベタ触るのはマナー違反だわ)
手を離し、恥ずかしさからオデルに背中を向けようと身を捻る。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられているため、背を向けるのは骨が折れたが、なんとか反対を向くことに成功した。
シルディアがほっと息を吐いた瞬間。
部屋の眩しさに目を細め、起き上がろうとして失敗した。
(そうだった。オデルと抱き合って寝たの忘れてた)
体に回された腕は重く、逃れることもままならない。
寝入っていても緩まない力に、シルディアは苦笑する。
(抱き合って寝るって言われた時は純潔の危機を感じたけれど、文字通りの意味で安心したわ)
シルディアの起床時には絶対に起きているオデルが、まだ寝ている。
その事実が少しだけシルディアの心を高揚させた。
(今まで熟睡した事がないんだもの。もう少し寝かせてあげましょう)
オデルはまばゆい光をものともせず寝息を立てている。
初めて見るオデルの寝顔は、いつもより幼く見えた。
目にかかりそうな前髪に触れれば、見た目以上に柔らかく黒絹のような触り心地だ。
(何をすればこんな肌触りになるのかしら? 寝不足のはずなのに肌も荒れていないなんて羨ましい)
頬を撫でれば、予想以上の滑らかさに驚いた。
柔らかなもち肌は赤子のようだ。
時間にして一分ほどだろうか。オデルの肌を堪能し、はたと我に返る。
(わたしったら、はしたないことを……。意識のない人をベタベタ触るのはマナー違反だわ)
手を離し、恥ずかしさからオデルに背中を向けようと身を捻る。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられているため、背を向けるのは骨が折れたが、なんとか反対を向くことに成功した。
シルディアがほっと息を吐いた瞬間。