全く、便利に人を使うやつだ。




「構わないが、帰ったら世話を手伝え」


「お、ラッキー。了解了解!」


「ぐだぐだくっちゃべってんじゃねぇ! 俺の真理香(まりか)を引っ掛けやがって、このクソ野郎!」




殴りかかってくる拳を片手で受け止めて、腕を捻る。




「クソっていうのは同意するが、これでも俺の連れだ。手を出すな」


「親友に対する容赦ない誹謗、よっ、痺れるね~」


「喧嘩するなら口にしろ。弱い者いじめは感心しない」


「ぐっ、この野郎!」




口で言っても聞かない輩には、拳で分からせるしかない。

またこうなったかと溜息を吐いて、俺は手加減しながら相手を黙らせた。