遙斗が向かったのはこの前と同じ展望公園だった。

「なんとなくわかってるだろ?ここに来た理由。」

「…会社のこと、ですか…?」

遙斗は頷いた。

「困ったことがあったら連絡しろって言ったはずだけど、一向に連絡が来ないから。」

「…困ったことがないから…です。」
茉白は目を逸らすように俯いた。

「さっきは仕事がうまくいってないって言ってた。」

「……気にかけていただけるのはありがたいですが…連絡するほどは困ってないんです…」

———はぁ…

遙斗は小さく溜息を()いた。

「もうそうやって意地を張って大丈夫な振りをするのはやめないか?」

「………」

「君が一番、LOSKAの意味を理解してないみたいだな。」

「………」

「いつも本音を隠してる。」

「…でも、会社のことは…社内の問題なので…」

「じゃあなんでSNSにあんな投稿をした?」

「え…?」

「社外の誰かに聞いて欲しかったんじゃないのか?」

「待ってください…!あんなの一瞬で消したのに…なんで…」
茉白は困惑した表情で遙斗の顔を見上げた。

「たしかに、フォロワーが5人と6人じゃ全然違うかもな。」
遙斗は笑って言った。


「……クロさん…?」