七月七日。

 六時四十八分。

 駅のロータリーにて、一人の女子高校生が自ら電車に轢かれ即死で自殺したというニュースが報道された。名前は宗方柚葉(むなかたゆずは)。性別は女。歳は十七歳。家庭には問題あり。


「うん、間違いない。……────私だ」


 わたしは、死ねなかったのだろうか。傷一つない体で、なぜ床に寝転んでいるのだろうか。

 ただ一つ、思い当たることがあるとするならば電車がわたしの体に勢いよくぶつかり、もう死んだと思われたその時、一瞬にして誰かに猛烈に責められている感覚に嫌気が差したのだ。

 わたしの口から言いようのない心の叫びが吐き出された瞬間、わたしは一瞬にして眩しい光に包まれたのだ。

 そこからの記憶は本当に曖昧で何も覚えていないけれど、光に包まれた後私は長い時間何も見えない真っ暗闇をずっと幽霊のように彷徨っていた気がする。

 そしていつの間にか、自室のベッドの上で目をパチリと覚ましたのだ。