皆さん、お久しぶりです。彩空百々花(さくら ももか)です。そろそろ、皆さんに私の名前を覚えてもらえた頃かなと思います笑

 この作品は、ノベマ!のキャラクター短編小説コンテストの「SNS✕多重どんでん返し」をテーマとしたものに沿って書いてみたものです。

 “ここからどうなるんだろう”“えっ、嘘!”という「どんでん返し」の物語をどんな風に書こうと思いながら筆を走らせているうちに、どんどん脳内に面白すぎる展開が浮かんできて、それを見事バーンとドーンと詰め込んだ作品になっております。

 読者様方、沢山驚かせてしまって、彩空の一種のお遊びに付き合ってもらい、まことに申し訳ありません!

 だけど私はこの作品が結構お気に入りになったんだ…!

 この物語の主人公、宗方柚葉とツイッター上の人気者、蛍。この二人は日陰と日向のような性格でありながら、どこか似通ったものがありました。

 蛍と柚葉が幼馴染だった時、蛍は同時に両親を亡くしてしまいます。その喪失感に涙を流すことも出来ずにただ“死にたい”と願っていた夜に、幼い柚葉が蛍の元に駆けつけます。

 そして高校生の柚葉にも、今までずっと死にたいと願った夜を何度も過ごしてきました。昔のこの出来事が、蛍が柚葉をたった一人の大切な人と認識した瞬間です。

 柚葉の為なら、何だってしてあげたい。

 俺が柚葉を守りたい。

 そういう感情を、幼い柚葉を抱きしめながら幼い蛍は抱いていました。そんな夜があったからこそ、柚葉が死んだ駅に偶然居合わせた蛍は、自分の命を削ってでも柚葉を助けようとしました。

 タイトル「わたしたちが死にたかった夜にも、きっと意味はあったんだ───。」には、こういう意図が隠されていました。

 あなたは、このタイトルの本当の意味に、涙しましたか───?

 何もかもが苦しくて、辛いと思っている人たちへ。

 綺麗事とは存じておりますが、あなたが死んでしまうことで周りの誰かの一人か二人は、深い悲しみの渦に沈んでしまいます。

 自分の命をかけてでも、我が子を守りたいと思う両親がいる。その大切で温かい存在がなくても、きっと自分を想ってくれている人は必ずいる。

 職場や学校、そして家庭だけに視野を狭めて囚われず、一度自分の街を見渡してみてください。

 世界は広くて、自分の安心して落ち着ける居場所はまだ見つけられていないだけで、どこかに必ずある。

 今、断ち切れない悲しみの中にいるのかもしれない。自分自身を嫌い、憎み、どうしようもない虚無感を抱えているのかもしれない。

 それでも、この作品を読んでくださった方の一人でも多くが、悲しい選択をせずにまたこの世界で笑える日を、強く強く願うばかりです。

 最後に、数ある作品の中からこの物語を読んでくださり、本当に有難うございました。この作品を読んでくださった皆様の明日の世界が、今日よりも広く壮大な美しい世界として瞳に映りますように───。

 あなたがあなたを愛することが出来る奇跡をこれからも小説として形に残し、全力でサポートしていきます。

 これからもどうか、こんな未熟者の中学生作家を温かい目で見守っていただければ幸いです。

 彩空百々花が最大級の幸福を皆様にお届けすることが出来る日を、私自身強く願っています。


                   彩空百々花