──私には、夢がある。


だけどそれは、決して叶わないこと──



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妃翠(ひすい)ちゃん、今日だいじょぶそ?」


慶南(けいなん)高校特進科、2年1組。


教室に入るなり飛びつくようにして尋ねてきた彼女に、私はうなずいた。


「やったーーーー! 嬉しいっ」


今度こそ本当に飛びついてきたのは、野々村(ののむら)麻美(まみ)


私にとって、唯一友人と言える子。


小動物のようにふわふわしていて、同性の私から見ても守ってあげたくなるような可愛さ。


少しミーハーなところもあるけれど、女子特有の裏表などない明るい性格で、一緒にいてとても癒される。


「うん、私も嬉しい」