その後、椋生の寝かし付けに成功した柊生は、花と一緒に風呂に入り1年間振りに花を堪能する。

正確に言えば、妊娠中もそれなりにスキンシップがあったものの、触れるだけに留まり、柊生にとって我慢と試練の日々だった。

産後の花を労り、お腹は触らないでとかお尻は見ないでとかいろいろな制約がある中、全てを配慮しつつ、柊生は理性と本能の狭間で戦いながら、それでも2人1つになれた時にこれ以上ない幸せを感じる。

このまま時が止まればと思う程に。


3時間後、

目覚めて夜泣きする我が子を車に乗せ柊生は夜のドライブに出発する。

どんなに眠くても気にならないほどの幸福感の中、花を休ませる為だったら自分の出来る最大限のサポートをしようと強く思う。

「椋生、あんまりママを困らせるなよ。」

我が子に求める事はそれだけだ。
後は元気にすくすく育ってくれたらそれでいい。

柊生は、1番のライバルはこの小さな我が子だと自覚しながら、苦笑いし夜のドライブを楽しんだ。