嘘でしょ。これって浮気?

っていうか、わざわざ隣町までって計画的な犯行だ。


私が頭の中でパニックを起こしていることをもちろん2人は知らない。


幸せそうに笑い合う2人はどこからどう見ても美男美女の恋人同士。


「ッ…!」

だんだんと視界がぼやけてくる。

それでも、ここが道の真ん中だってことはまだ分かっていて、邪魔にならないように脇の木に背を預けた途端、涙がせきを切ったように溢れた。


嘘だ。なんで。約束できたってあの子のこと?


どうして浮気なんかしたの。来人、来人。


そこまで考えて、ふと、ひとつの可能性が頭の中をよぎった。