「君がこの学園に来るように、弟くんを気に入った世羅さんに協力したんだ」
満くんは酷薄な笑みを浮かべたまま語り出す。
「そして契約が済んだ弟くんのスマホを事故に見せかけて壊し、代わりに事情説明を書いた手紙も君の手に渡らないよう握りつぶした」
「なん、で……?」
「何で? それはもちろん、君を――薔薇乙女を僕の元におびき寄せる為だよ」
黒曜石のような黒い目が、キラリと妖しく光った気がした。
そして満くんは酷薄な笑みをそのままに、声だけを優しく響かせる。
「緋奈ちゃん、思い出して良いよ? 薔薇乙女である君を最初に見つけたのは――僕だ」
「っ!」
頭痛がひと際強くなり、押し込められていた記憶が溢れた。
***
そうだ、私はこの印象的な黒曜石の目を前にも見たことがある。
一年ほど前、買い物帰りに路地裏でケンカしている人を見かけた。
その辺りの治安は良い方だったし、ケンカなんて見たことが無かったからどうしようってうろたえて見てたんだ。
聞こえてきた様子から、ケンカを売られていたのは黒髪のヴァンパイアの方。
共生しているとはいえ、ヴァンパイアに偏見を持つ人間は一定数いて、そういう人たちに絡まれていたみたい。
でも実際の殴り合いとなれば身体能力が高いヴァンパイアに人間が敵うわけがない。
黒髪のヴァンパイアの圧勝だった。
満くんは酷薄な笑みを浮かべたまま語り出す。
「そして契約が済んだ弟くんのスマホを事故に見せかけて壊し、代わりに事情説明を書いた手紙も君の手に渡らないよう握りつぶした」
「なん、で……?」
「何で? それはもちろん、君を――薔薇乙女を僕の元におびき寄せる為だよ」
黒曜石のような黒い目が、キラリと妖しく光った気がした。
そして満くんは酷薄な笑みをそのままに、声だけを優しく響かせる。
「緋奈ちゃん、思い出して良いよ? 薔薇乙女である君を最初に見つけたのは――僕だ」
「っ!」
頭痛がひと際強くなり、押し込められていた記憶が溢れた。
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そうだ、私はこの印象的な黒曜石の目を前にも見たことがある。
一年ほど前、買い物帰りに路地裏でケンカしている人を見かけた。
その辺りの治安は良い方だったし、ケンカなんて見たことが無かったからどうしようってうろたえて見てたんだ。
聞こえてきた様子から、ケンカを売られていたのは黒髪のヴァンパイアの方。
共生しているとはいえ、ヴァンパイアに偏見を持つ人間は一定数いて、そういう人たちに絡まれていたみたい。
でも実際の殴り合いとなれば身体能力が高いヴァンパイアに人間が敵うわけがない。
黒髪のヴァンパイアの圧勝だった。



