「悟志⁉」
「あ、姉さん」

 沢くんに見つけてもらった悟志は、私の心配をよそにのほほんとした笑顔で迎えた。

「『あ、姉さん』じゃないわよ! 今までどうしてたの⁉ なんの連絡もなくいなくなったから心配してたのよ⁉」

 あまりにものほほんとしているから、思わず胸倉を掴んで揺さぶってしまう。
 こっちは操られて連れて行かれたんじゃないかって心配してたのに!


 沢くんの話では、探してみたら案外簡単に見つかったということだった。
 しかも催眠術で操られている様子もなかったって。

 実際に会ってみても操られている様子はない。
 どこからどう見ても私の知ってるほのぼの悟志だ。

「さ、悟志を離してください!」

 ガクガクと悟志を揺さぶる私にかわいい声がかけられる。

 ピタッと揺するのを止めて見ると、ふわふわの腰まである金髪を揺らしながら私を睨む女の子がいた。
 睨むと言っても子ウサギが必死に仲間を守ろうとしているみたいな感じで、睨んでいても可愛らしい。

 私が手を離すと、すぐに間に入って来て悟志を気遣い始めた。

「悟志、大丈夫? まさかお姉さんがこんなに凶暴だったなんて」
「大丈夫だよ世羅(せら)。姉さんのこれは姉弟のスキンシップだから」

 お互い頬を撫で合って、何だか甘い雰囲気を出し始める二人。