その後は思っていたより普通に過ごすことが出来た。

 寮でも学園でも《Luna》のみんなと一緒に過ごしているから、他のヴァンパイアに迫られることはない。
 というか、近づいてすら来れないみたいだった。

 私みたいな平凡な女子が一緒にいたら変な反感を買うんじゃないかとも思ったけれど、薔薇乙女はやっぱり特別らしい。
 嫌味を言われるどころか睨まれるような事すらない。

 私が《Luna》のみんなといる方が普通だとでも言うみたいに受け入れられていた。


 《Luna》のみんなも初めの日に暴走しそうになったからか、私に血を見せないよう気を使ってくれてるみたい。

 潤くんも翌日には謝ってくれたし。

「昨日は悪かった。まさか薔薇乙女の誘惑があんなに強いとは思わなかったんだ」
「あ、うん。……いいよ、もうあんなことしないでくれれば」

 しっかり90度に腰を折って頭を下げた潤くんを口調は悪いのに性格は真面目なんだなぁと思いならが許す。
 その印象のままの表情で頭を上げた潤くんは、「分かってる」と告げた後話題を変えた。